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続いて、2010年12月3日にustreamで配信された

孫正義氏と田原総一郎氏の対談

「電子教科書は日本を救うか」の

12月8日から6回にわたって

講談社現代ビジネスのサイトに掲載された内容から

2回目の抜粋と要約




田原:iPhoneiPadも全部アメリカでしょ。


   なんで日本ではできないんですか。

孫:ものづくりを組立業と捉えている経営者が未だに多い。


田原:ようするに日本では組立業が中心なんです。

   トヨタにしても、パナソニックにしても、全部、組立屋なんです。

孫:そんなうちは日本はもう復活できない。


  ・・・なぜ組立業では復活できないとかというと、

 
  ・・・組立業も安い賃金で組み立てられたら競争に負ける

田原:日本は他の国の十倍も高い

孫:・・・コンピュータの情報革命を最大限に活用して、


  頭を使って頭の革命で日本の競争力を取り戻すと。


  ・・・組立業から脱却したアップルの例があります


  ・・・ジョブスが真っ先にやったのは、


  俺は組立業ではないという・・・。


  宣言をして、真っ先に工場を全部売っ払った。


  ・・・そしてスティーブ・ジョブスが宣言したのは、


  「俺は頭で勝負する、イノベーションだ」と。・・・


  一番付加価値の高いイノベーション、開発ですね、


  「そこにのみ俺は集中する。


  俺の社員に賃金の低い、付加価値の低い組み立てなんかさせない」と。


  ・・・筋肉労働の工場は全部売っ払って、


  下請けとして台湾のフォックスコンに発注した


田原:では、自動車メーカーはどうすればいい?

孫:世界最強の、例えば電気自動車なんかの設計をするしかない。


  エコカーのようにインテリジェンスを持たせたものを設計して、


  組み立ては海外でやればいい。そうしたら為替も関係ない。


田原:むしろ海外で作って日本へ輸出すればいい、円高を利用して。

孫:・・・一人当たりの賃金をもっとダーンと上げて、


  一人ひとりに喜んでもらうやり甲斐のある、


  エキサイティングな開発だ、デザインだ。


  それを本業として捉えるんだ」となると、


  明るい自動車メーカーになれる




田原:やっぱり教育に問題がある



孫:日本の復活のためには、


  日本人全体のなかで国民の総人事異動をしなきゃいけない・・・


  頭の勝負をするところに教育のコンテンツをシフトしなきゃいけない。

  ・・・情報革命にあった教育コンテンツに決定的パラダイムシフトしなきゃいけない。

田原:電子教科書っていうのは、孫さんのイメージはノートパソコンみたいなもの?

孫:・・・iPadのこういうやつが電子教科書代わりになっていると。・・・

  「教育クラウド」に繋がっていて、世界中の教育コンテンツが入っている。

  田原:たとえばこれを教育の現場に入れると、どんなことができますか。

孫:タッチすると吉田松陰の写真がパッと出てきて、


  吉田松陰を題材にしたNHKのドラマのシーンが、


  吉田松陰が船に乗り込もうとして失敗して死刑になった、


  そのへんのくだりが動画で出てくる・・・

  電子教科書だったら当然通信で繋がっているから、


  韓国の子どもたちと英語で


  「日本では幕末こうだったが韓国ではどうだったの? 


  韓国における産業革命はいつで、


  なぜ、誰がどうリードしたの? 中国ではどうなの? 


  清が外国に支配されたことは教科書ではどう習ったの?」と。


  こういう会話が・・・。・・・

孫:・・・出版社も印刷業に価値があるんじゃない。


  企画編集ですよ。


  どういう特集をするんだと、


  なんのテーマについて知識人を集めてきて討論させて、


  まさにこうして討論している状態を電子パブリッシングする。

  頭を切り換えればいいだけですよ。


  先生がレベルアップしなきゃいけないように、


  新しい時代に向けて頭をもう一回レベルアップしなきゃいけない。


  そのために、


  出版社の人々ももう一回頭を情報革命にあわせてレベルアップする。


  産業界はそれを毎年やっているわけですから。


  丸暗記に使っていた頭の労力を、


  丸暗記の代わりにそんな程度のことは検索して、

  
  それをベースにどう思うんだという会話で・・・。

田原:そういうことが自分でできたら教師っていらなくなるんじゃないの。

孫:教師は「じゃ、産業革命についてどう思うんだ」という言葉を語りかけて、


  生徒が答えたら、別の生徒に「君はどう思うんだ」と、


  教室の中で議論を巻き起こすコーディネータであり・・・。


  ・・・だから先生は賢くなきゃいけないし、


  先生の先生たる所以がそこにあると。・・・

孫:だいたい大学の試験でも教科書全部持ち込みOKです。


  ・・・教科書に書いてある答えを

 
  そのまま書き写せばいいなんていう丸暗記の問題が、


  そもそもほとんどない。


  ここに書いてあることをベースに自分が新しい提案をする、


  新しい問題解決をする、知恵で出す。・・・
田原:出版社の連中が孫さんを非常に怖がっているんですよ。


   「電子教科書になったら紙の教科書がなくなっちゃうんじゃないか」と。


  反復学習じゃなくて知恵を出させる、討論する、


  問題提起するというようなことを、


  人間が人間たる所以で


  人間の先生がガイドしていくというのがあるべき姿だと思いますね。


  アメリカの学校の教育ってすごい体験していて感動したんですけども・・・。



田原:どこが違うの、日本と。


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