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2011年9月22日に行われた

来年度から始まる

定期巡回・随時対応型訪問介護看護(24時間訪問サービス)について

人員基準等についての会合での意見を抜粋





まづ24時間の利用者からの連絡を受けてヘルパー、看護師派遣の

オペレーター基準について




厚労省は実務経験3年以上でヘルパー2級の資格という

現在の訪問介護事業所のサービス提供責任者と同じ基準を示したのに対して




日本看護協会常任理事は

「どんな対応が必要か、訪問が必要なのかを判断し、トリアージ(優先度の決定の判断)も伴うので、

ある程度専門性の高い人が配置されるべき」




と、看護師派遣も行うのに

ヘルパー事業所のサービス提供責任者と

同等の判断力ではトリアージ(優先度の決定の判断)が難しいので




「要件としてやりたかったサービスが拡がっていかない」




と、「危惧してる。」




また、全国老人クラブ連合会理事・事務局長は

「ヘルパー2級の人などを最初から認めると、

サービスを軌道に乗せるための障害になる恐れもある。」




とのこと・・・




ヘルパー事業所は結構言われてますね・・・




個人的には介護保険制度を現場で支えているのは

ヘルパーだと認識しています




実際利用している人の優先度も

医療的判断だけが基準とは限らないと思います

状況によっては

ヘルパーの経験値や判断力の方が高い場合も

あるのではないかと思っています

現場ではヘルパーは看護師に遠慮して

あえて言わないだけのことも多いと思いますよ




人間相手のサービスなのですから

資格等の紋切型で提供側がわかりやすい仕組みを作っても

利用する側のニーズに合わなければ何にもならない

こともあります




優先度の判断も

入院中の患者と

自宅で暮らしている人との

対応や判断基準となる

その人らしい人間性への理解は別物ではないかとも思います




今回の改定で

現場での医療行為の解禁が進んでいくことは

明らかに現場のニーズから

始まったことですし

既に介護の現場で行っている医療行為については

早く解禁してほしいと

現場の状況を危惧していましたので

充分現場で必要とされる優先度の決定基準についての認識は

持っている事業所や現場も多いと思います




では全く事故がなく

24時間訪問サービスが進むかといえば

それは誰にも分からないことで

基準を厳しくしても

人員不足で必要なサービスを提供する事業所自体がなく

事故以前の状況になれば

いったい誰のために24時間訪問サービスを始めるのか

本末転倒にもなります




そのあたりは

全国市長会介護保険対策特別委員長が




「需要があるところにサービスが提供できるよう、

地域でも人材を確保できるような基準、

マンパワー確保についての規制緩和を考えてほしい」




と水を差している




それに対して



全国老人保健施設協会会長は

「安全・安心を確保するには、24時間で1(人)以上の配置が必要ではないか」



日本医師会常任理事は

「随時対応できるよう、本来は(常勤換算で)4.2人以上要るのではないか」



医療系の関係者は

訪問看護の人員基準を厳しくする必要性を訴えている



また高齢者住宅に住む利用者への24時間訪問サービスについては


「集合住宅の場合は(戸別に訪問する場合に比べて)


移動コストや時間のロスが少ない。当然減算を検討すべき」



と民間看護事業推進委員会には痛い意見が複数上がった様子


それに対して



「(24時間訪問サービスを)実施していく中で、実態を見てから議論すればいいではないか」



としている



この会合でのやり取りで

24時間訪問サービスを巡る介護現場への意識の違いを

解りやすく理解することができる




訪問看護側は医療的な管理やサービス提供を行う現場で

ヘルパー2級の資格保持者に優先度の判断等を含めた権限を持たせて良いのか

と不安を示している




確かに難病を持つ利用者やターミナルケア等の場合

瞬時の判断が生命にかかわるため

真面目な意見としては理解できる・・・




しかし

実際は介護現場で行われる医療行為の多くは

現在家族で行えている範囲のことであり

今回緩和される現場での医療行為解禁がさらに進んで

現場の経験値が上がればヘルパーでも対応可能になると思われます




また




私は在宅での体調管理については

服薬管理等の家族でも対応可能な

軽微な対応を24時間行うことができれば

かなりの高齢者の体調が安定して

重病への予防に繋がると考えていますので

専門性の高い医療管理を要する利用者以外については

逆に訪問看護ステーションではなくて

ヘルパー事業所で管理できるようになるのではないかとも

思っています




その辺りの認識ができているのでしょうか・・・





またヘルパーへの評価が低いと感じる点については

おそらく現場のことをよく理解していないことが原因ではないかと・・・





先にも書きましたが

介護の現場を支えているのは

ヘルパーである場合が多く

利用者と最もコミットして

サービス以外の話し相手や

日常生活での利用者や家族に付き添っていることが

在宅介護の維持に大きく貢献していることを

理解できていないのではないでしょうか




今回の改定は医療と介護の同時改定で

両職種の連携促進を進めて

医療と介護を効率化して予算の削減を

目指すものですので

資格的に医療資格を優位に体制を構築する方向性としては

良く理解できますが

全国市長会介護保険対策特別委員長が危惧しているように

ではそれは誰が担うのか・・・

については

民間に担わせる方向で改正が進んでいる介護保険事業について

サービス提供は可能な制度にしても

サービス提供を請け負う事業所がなければ

困るのは利用者です

この議論をみていて

発言している団体が何処までそのことを含めて考えているのか・・・




今後の改正が医療や介護を巡るパワーゲームにならないよう心配しています




しかし今回の会合の内容を踏まえて言えることは




恐らくは提供事業所の不足の問題が出現することを見越して

民間看護事業推進委員会が言った


「実施していく中で、実態を見てから議論すればいいではないか」





とした

現実的な判断によりサービスを提供しようとしている民間事業に

介護保険のサービスは更に移行していくことが

はっきりしてきているということです




そのことは

医療法人の民間経営可能な制度改正も含めての

医療界を巻き込んで行われることになっていくでしょう

(以上2011年9月22日キャリアブレイン「24時間訪問、オペレーター要件に反対もー介護給付費分科会」より)
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